著者
角田 忠信
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.29-34, 1995-01-20
参考文献数
12

ツノダテストの概略を説明した.人の聴覚系は100Hz以上の音声帯域と99Hz以下の生物学的領域に大別される.中心脳には検査音の持つ純粋に物理的スペクトルによって左右の半球に振り分ける自動スイッチ機構があり, 音声帯域では言語音は左脳, 非言語音は右脳に選別する.スイッチ機構は生後6~9歳の言語環境によって, 日本型と西欧型に分かれる.日本型の特徴は持続母音は言語半球優位を示すことにあり, これが原点となって, 有機的な多くの自然音, 感情音, 邦楽器音なども左半球優位となる.一方, 非日本語圏の人はこれらが非言語半球優位となる.<BR>言語と情動の発達と固有の文化との間には密接な関係があると考えられる.99Hz以下には言語による差はないが, 40, 60系と年輪系という整然としたシステムが存在する.40系の特徴から, 人に根源的に備わった1秒の基本時間について論じた.

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@maeda_ouka 聴覚からみた大脳の半球優位性 https://t.co/ObHnfDJM5u

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