著者
大澤 富美子
出版者
Japanese Association of Communication Disorders
雑誌
聴能言語学研究 (ISSN:09128204)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.55-60, 1999-04-30
被引用文献数
1

進行性神経筋疾患者に対する補助代替コミュニケーション(AAC)アプローチを開発するため,日本ALS(筋萎縮性側索硬化症)協会近畿ブロックが1996年12月に実施した実態調査の159名の結果を考察した.それにより,使用しているAAC手段の種類が少なく使用頻度も低いことと,本格的な使用開始時期が人工呼吸器の装着などにより発話不能になった後と遅い,つまり,音声言語との併用期間が短いことが推測された.また,パソコン機器(意志伝達装置)の使用頻度が低いことから,機器操作訓練や運動機能低下に伴ったスイッチ更新が適切に行われていないことと,操作の一部に介助が必要となっていることが,機器使用の阻害要因として考えられた.以上のことから,早期からの非機器・機器的AAC手段の段階的導入に伴った評価・訓練と,導入後の維持支援プログラムを検討した.

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