著者
堀田 学
出版者
日本農村生活研究会
雑誌
農村生活研究 = Journal of the Rural Life Society of Japan (ISSN:05495202)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.6-14, 2002-09-01
参考文献数
12
被引用文献数
2

近年、食材の安全性と多様性に対する消費者の関心の高まり、および生産者の有利な販路としての観点から地域・地場流通が注目されている。中でも近年、めざましく発展している流通形態はファーマーズマーケット(=農産物直販所、以下FMと略)である。FMは、従来、余剰野菜や系統出荷では規格外品となるロットの小さな自給農産物などの販売を目的とした無人店舗が大半であったが、今日では安定的な供給がなされているもの、取扱品目範囲が広範に及ぶもの、特色のある品揃えを行うもの、取扱規模を大型化させたものなど、様々な特徴を持つものが出現している。全国に数多くのFMが設置され、近接するFMや他の小売業との競争関係が生じているケースも見受けられる。すなわち既にFMは産業として成熟しており、地域や参加者の実情に合った軌道修正が求められる段階にある。そこで本研究ではFMの今日的特質を検討するとともに、優良事例の分析を通して,定着化方策を検討することを目的とする。

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