著者
松本 裕子 盛田 清秀
出版者
日本農村生活研究会
巻号頁・発行日
no.129, pp.40-50, 2006 (Released:2011-03-05)
著者
石塚 哉史 小泉 隆文
出版者
日本農村生活研究会
雑誌
農村生活研究 (ISSN:05495202)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.31-36, 2003-03-01
被引用文献数
4

周知の通り、わが国の伝統食品は、食生活の多様化にともない消費率が停滞している。この傾向の要因として高度経済成長期以降に起きた社会生活の変化があげられる。とくに食生活面においては、女性の社会進出による家事の省力化にともなう調理時間の短縮、外食・中食産業の発展による「食の外部化」、「食の洋風化」の進展による若年層の和食離れなどが関係していると思われる。こうした状況は、伝統的な和食食材と位置づけられるこんにゃく製品においても例外ではない。こんにゃく製品は、煮物や鍋物等の食材として消費されていたが、「食の洋風化」、「食の外部依存度の上昇」による影響から、わが国のこんにゃく製品の消費は、1970年代以降は継続して停滞傾向を示している。また昨年(2001)は、BSE(牛海綿状脳症)の影響から、すき焼きの消費量が減少したため、糸こんにゃくの消費動向も同様な動向を示したといわれている。このようにこんにゃく産業を取り巻く環境は厳しいものになりつつあるが、こんにゃく製品に対する消費者の意識と行動に関しては、既存研究もあまり存在しておらず不明瞭な点が多い。そこで本報告は、1.最近のわが国におけるこんにゃく製品の消費動向、2.こんにゃくにたいする消費者意識の特徴、の2点を解明すること、を目的におこなった。
著者
室岡 順一 野崎 壱子
出版者
日本農村生活研究会
雑誌
農村生活研究 (ISSN:05495202)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.42-58, 2008-01-01
参考文献数
8
被引用文献数
3

2005年7月に施行された食育基本法に基づき、2006年3月に食育推進基本計画が策定された。食育推進基本計画は、食育を推進する方策として、栄養バランスが優れた「日本型食生活」の実践、「食生活指針」や「食事バランスガイド」の活用促進などを通じた食生活の改善を掲げている。食生活を改善する具体的な方法の1つとして、食育基本法でも食育推進基本計画でも例示されているものに料理教室がある。たとえば食育基本法の「家庭における食育の推進方策」の中では「親子で参加する料理教室」が挙がっている。このような例示があるだけに、「親子」「キッズ」「米粉」「野菜」「くだもの」「地産地消」を冠した料理教室が各地で多く開かれている。食育基本法、食育推進基本計画が策定されたここ1、2年は、食育のための料理教室が数多く実践された年でもある。2006年度に農林水産省が募集した「民間における食育活動促進支援事業」も、食育の推進活動を支援する補助事業である。類似した他の補助事業と違う点は、「食育実践活動をNPOや消費者団体」など民間団体が主体であること、「『食事バランスガイド』の普及・活用を含む食育活動」に対して補助することである。本研究は、この事業に応募し採択された27提案のうち、大阪市中央卸売市場の青果物卸売業である東果大阪株式会社の提案を対象とする。この提案は、料理教室を通じて参加者に地場野菜の魅力を伝え、参加者が地場野菜を使ったメニューを食卓に出す意欲を高め、ひいては食卓での副菜が安定して増えることを目的とした提案である。本研究は、食育事業としての料理教室への参加者を対象にアンケート調査を実施し、この調査で得たデータの分析を通じて、料理教室が参加者におよぼす食育の諸効果を解明する。
著者
薬師寺 哲郎 高橋 克也
出版者
日本農村生活研究会
雑誌
農村生活研究 = Journal of the Rural Life Society of Japan (ISSN:05495202)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.14-24, 2013-03-01
参考文献数
9
被引用文献数
1

我が国では高齢化の進展の中で食料品店の減少が加速化している。商業統計によると飲食料品小売業の店舗数は1997年の526千から,2007年の390千に10年間で26%減少した。一方,我が国の高齢化は世界一の水準となっており,今後一層進展することが予測されている。このようななかで,高齢者を中心に食料品の買い物で不便や苦労を感じる住民が顕在化しつつあり,近年,「買物難民」あるいは「買物弱者」として注目を集めるようになった。食料品店の減少が惹起するこのような問題は,欧米ではフードデザート問題として知られている。フードデザート問題は,「食料品供給体制の崩壊」と「社会的弱者の集住」が重なったときに生じる(岩間編・2011: 1)とされているように,基本的には都市的な問題である。しかし,我が国で社会的弱者と考えられる高齢者が多数居住している農村地域でも,Aコープの閉店や,公共交通機関の縮小などにより食料品の買い物における不便や苦労が増加しているという実態がある(農林水産政策研究所・2012: 160-161)。
著者
堀田 学
出版者
日本農村生活研究会
雑誌
農村生活研究 = Journal of the Rural Life Society of Japan (ISSN:05495202)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.6-14, 2002-09-01
参考文献数
12
被引用文献数
2

近年、食材の安全性と多様性に対する消費者の関心の高まり、および生産者の有利な販路としての観点から地域・地場流通が注目されている。中でも近年、めざましく発展している流通形態はファーマーズマーケット(=農産物直販所、以下FMと略)である。FMは、従来、余剰野菜や系統出荷では規格外品となるロットの小さな自給農産物などの販売を目的とした無人店舗が大半であったが、今日では安定的な供給がなされているもの、取扱品目範囲が広範に及ぶもの、特色のある品揃えを行うもの、取扱規模を大型化させたものなど、様々な特徴を持つものが出現している。全国に数多くのFMが設置され、近接するFMや他の小売業との競争関係が生じているケースも見受けられる。すなわち既にFMは産業として成熟しており、地域や参加者の実情に合った軌道修正が求められる段階にある。そこで本研究ではFMの今日的特質を検討するとともに、優良事例の分析を通して,定着化方策を検討することを目的とする。
著者
杉原 たまえ
出版者
日本農村生活研究会
雑誌
農村生活研究 (ISSN:05495202)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.10-19, 2010-03-01

「シークヮーサー」という沖縄における生物資源の商品化の過程と問題について、沖縄県大宜味村の役場、JA、農家からの聞き取り調査に基づき考察することを目的とする。