著者
薬師寺 哲郎 高橋 克也
出版者
日本農村生活研究会
雑誌
農村生活研究 = Journal of the Rural Life Society of Japan (ISSN:05495202)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.14-24, 2013-03-01
参考文献数
9
被引用文献数
1

我が国では高齢化の進展の中で食料品店の減少が加速化している。商業統計によると飲食料品小売業の店舗数は1997年の526千から,2007年の390千に10年間で26%減少した。一方,我が国の高齢化は世界一の水準となっており,今後一層進展することが予測されている。このようななかで,高齢者を中心に食料品の買い物で不便や苦労を感じる住民が顕在化しつつあり,近年,「買物難民」あるいは「買物弱者」として注目を集めるようになった。食料品店の減少が惹起するこのような問題は,欧米ではフードデザート問題として知られている。フードデザート問題は,「食料品供給体制の崩壊」と「社会的弱者の集住」が重なったときに生じる(岩間編・2011: 1)とされているように,基本的には都市的な問題である。しかし,我が国で社会的弱者と考えられる高齢者が多数居住している農村地域でも,Aコープの閉店や,公共交通機関の縮小などにより食料品の買い物における不便や苦労が増加しているという実態がある(農林水産政策研究所・2012: 160-161)。
著者
堀田 学
出版者
日本農村生活研究会
雑誌
農村生活研究 = Journal of the Rural Life Society of Japan (ISSN:05495202)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.6-14, 2002-09-01
参考文献数
12
被引用文献数
2

近年、食材の安全性と多様性に対する消費者の関心の高まり、および生産者の有利な販路としての観点から地域・地場流通が注目されている。中でも近年、めざましく発展している流通形態はファーマーズマーケット(=農産物直販所、以下FMと略)である。FMは、従来、余剰野菜や系統出荷では規格外品となるロットの小さな自給農産物などの販売を目的とした無人店舗が大半であったが、今日では安定的な供給がなされているもの、取扱品目範囲が広範に及ぶもの、特色のある品揃えを行うもの、取扱規模を大型化させたものなど、様々な特徴を持つものが出現している。全国に数多くのFMが設置され、近接するFMや他の小売業との競争関係が生じているケースも見受けられる。すなわち既にFMは産業として成熟しており、地域や参加者の実情に合った軌道修正が求められる段階にある。そこで本研究ではFMの今日的特質を検討するとともに、優良事例の分析を通して,定着化方策を検討することを目的とする。
著者
西村 ミチ江
出版者
日本農村生活学会
雑誌
農村生活研究 = Journal of the Rural Life Society of Japan (ISSN:05495202)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.26-31, 1996-12-01
被引用文献数
1