著者
後藤 慶子 浅野 和海
出版者
Japanese Association of Communication Disorders
雑誌
コミュニケーション障害学 (ISSN:13478451)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.99-105, 2004-08-25
被引用文献数
1

1歳5ヵ月時に口蓋形成術を受けた硬軟口蓋裂児は,2歳2ヵ月の言語初診時に,軟口蓋の形態は良いが顕著な開鼻声と声門破裂音を示し,その後鼻咽腔閉鎖機能不全の状態が続いた.3歳3ヵ月でストロー使用と/p/の構音が可能になり,4歳を過ぎて破裂音/p,t,k/の構音が一貫して可能となるのと平行して,鼻咽腔閉鎖機能は良好になった.摩擦音,破擦音の習得のために4歳7ヵ月から1年間,系統的構音訓練と文字・音韻意識を活用する働きかけを行った.本児は言語理解に比し表出が遅れ,随意的口腔運動や模倣的な表出に困難さが認められた.特異的言語発達障害と呼ばれる臨床像に近く,聴覚情報の処理と構音運動の企画に問題があると思われた.鼻咽腔閉鎖機能良好の判定に術後3年と長期を要し,口蓋裂に合併した特異的言語発達障害の影響が示唆された.

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