著者
藤井 孝政 柏木 宏介 川添 堯彬
出版者
大阪歯科学会
雑誌
歯科医学 (ISSN:00306150)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.92-98, 2005-03-25
被引用文献数
2

本研究では, 繊維強化コンポジット(FRC)を応用したメタルフリーブリッジの強度の向上を目指し, FRCの形態がブリッジの曲げ強さに及ぼす影響について検討した.実験材料として, FRC(BR-100, KURARAY MEDICAL)とハイブリッド型レジン(ESTENIA, KURARAY MEDICAL)を用いた.臼歯部3ユニットブリッジの支台歯を想定した金型を印象採得し, 超硬石膏にて作業用模型を製作した.作業用模型に透明シリコンの型枠を装着し, FRCとハイブリッド型レジンを填入してブリッジを製作し, 実験試料とした.FRC(厚さ1mm, 長さ28mm)の形態は, 幅3mm(F3)および幅6mm(F6)のそれぞれを, 平板状にしたもの(Straight)およびポンティック部で曲げたもの(Bent)の4種類に設定した.また, 参考としてハイブリッド型レジン単体の実験試料を用意した.実験試料はそれぞれ5個ずつ, 計25個製作した.実験試料を室温, 空気中で24時間保存し, 接着性レジンセメントを用いて金型に接着した.万能試験機を用いてポンティック中央部に荷重を加え, 破折時の最大荷重値を曲げ強さとして求めた.統計学的解析はFRCの幅および形態を要因とする二元配置分散分析を用いた.統計学的有意水準を1%に設定した.分散分析の結果, FRCの幅および形態に有意差が認められた.曲げ強さはF6 Bentが最も大きく, 以下F6 Straight, F3 Bent, F3 Straight, およびハイブリッド型レジン単体の順となり, FRCの幅を3mmから6mmにすること, およびポンティック部でFRCを曲げることによって, それぞれ約400Nの強度の向上が認められた.以上の結果から, FRCをブリッジへ応用する際には, FRCの幅を大きくすること, およびFRCをポンティック部で曲げることが望ましいことが明らかとなった.

言及状況

Twitter (1 users, 1 posts, 0 favorites)

こんな論文どうですか? 繊維強化コンポジットの形態がブリッジの強度に及ぼす影響(藤井 孝政ほか),2005 http://t.co/VvBm8QkL

収集済み URL リスト