著者
森下 寛史 中嶋 正博 田中 克弥 覚道 健治 佐藤 正樹 川添 堯彬 杉立 光史 赤根 昌樹
出版者
大阪歯科学会
雑誌
歯科医学 (ISSN:00306150)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.227-231, 2005-06-25 (Released:2017-05-18)

われわれは舌縁部の咬傷を主訴に来院した58歳女性の巨舌症に対して舌縮小術を施行し, 術前後における音声機能を比較した.最大舌幅径は術前55mmから術後40mmに減少し, 舌縁部の歯の圧痕も消失した.また発語明瞭度検査および「杉スピーチアナライザー」を用いた音声分析の結果では術前と術後5か月とでは変化がみられず, 手術における機能障害は認められなかった.
著者
藤井 孝政 柏木 宏介 川添 堯彬
出版者
大阪歯科学会
雑誌
歯科医学 (ISSN:00306150)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.92-98, 2005-03-25
被引用文献数
2

本研究では, 繊維強化コンポジット(FRC)を応用したメタルフリーブリッジの強度の向上を目指し, FRCの形態がブリッジの曲げ強さに及ぼす影響について検討した.実験材料として, FRC(BR-100, KURARAY MEDICAL)とハイブリッド型レジン(ESTENIA, KURARAY MEDICAL)を用いた.臼歯部3ユニットブリッジの支台歯を想定した金型を印象採得し, 超硬石膏にて作業用模型を製作した.作業用模型に透明シリコンの型枠を装着し, FRCとハイブリッド型レジンを填入してブリッジを製作し, 実験試料とした.FRC(厚さ1mm, 長さ28mm)の形態は, 幅3mm(F3)および幅6mm(F6)のそれぞれを, 平板状にしたもの(Straight)およびポンティック部で曲げたもの(Bent)の4種類に設定した.また, 参考としてハイブリッド型レジン単体の実験試料を用意した.実験試料はそれぞれ5個ずつ, 計25個製作した.実験試料を室温, 空気中で24時間保存し, 接着性レジンセメントを用いて金型に接着した.万能試験機を用いてポンティック中央部に荷重を加え, 破折時の最大荷重値を曲げ強さとして求めた.統計学的解析はFRCの幅および形態を要因とする二元配置分散分析を用いた.統計学的有意水準を1%に設定した.分散分析の結果, FRCの幅および形態に有意差が認められた.曲げ強さはF6 Bentが最も大きく, 以下F6 Straight, F3 Bent, F3 Straight, およびハイブリッド型レジン単体の順となり, FRCの幅を3mmから6mmにすること, およびポンティック部でFRCを曲げることによって, それぞれ約400Nの強度の向上が認められた.以上の結果から, FRCをブリッジへ応用する際には, FRCの幅を大きくすること, およびFRCをポンティック部で曲げることが望ましいことが明らかとなった.
著者
楠本 哲次 川添 堯彬 田中 昌博 高梨 芳彰 馬場 俊輔 木村 公一
出版者
大阪歯科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

本研究では脳機能画像法を用いて咀嚼運動中の大脳皮質の賦活状態を捉えることとした.しかし,脳機能画像法では,頭部が振動を受けると脳の位置が動いてしまうと,データの信頼性が低下する可能性がある.この事も本研究の難易度を上げる原因となった.そこで我々は可能な限り実際の咀嚼運動を再現し,しかし脳機能画像法の妨げになりにくいTask方法として,咀嚼Taskを採用した.咀嚼Taskは右咬みタスク,左咬みタスクとした.各タスクは咬頭嵌合位にて上下顎の歯を軽く接触させ,タスク側の咬筋が等尺性収縮を起こさせるように指示し,咬みしめサイクルは1Hzとした,本Taskにより,実際の咀嚼運動に近いデータを得ることができたと考えている.本研究では咀嚼Taskにて大脳皮質が賦活する部位を検討している過程で,咀嚼Taskによる大脳皮質賦活部位が運動性言語野,言語優位半球との関連があるのではないかと考えた.そこで,我々はしりとりTaskを用いて被検者の言語優位半球を同定し,言語優位半球と咀嚼Taskによる大脳皮質賦活部位との関連を調べたところ,言語優位半球側に必ず咀嚼Taskによる大脳皮質賦活部位を認めた.よって,言語優位半球と咀嚼Taskによる大脳皮質賦活部位とは関連があることが明らかとなった.また本研究では脳磁図やfMRIでも使用可能な咬合力センサの開発を試みたが,実用化することは困難であった.実用化に向けて今後も改良を行う必要がある.
著者
仲西 健樹 更谷 啓治 岡 久雄 川添 堯彬
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.98-104, 1994
被引用文献数
10 1

The purpose of this study was to determine whether the Automatic Diagnostic System for tooth mobility we had developed was applicable for evaluating implant mobility. Ten IMZ implants, which had been functioning in the patients, were selected. Mechanical mobility of implant with intramobile element (IME) and titanium element, were measured by our system. The frequency spectrum of the mechanical mobility and mechanical parameters (c_1, c_2 and k) in implants were compared with those in natural teeth (maxillary central incisors and canines). Mechanical mobility spectra in implants were similar to those in teeth. The values of mechanical parameter in implants were larger than those in teeth. We found that the Automatic Diagnostic System could be utilized for evaluating implant mobility.