著者
中村 春木
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 : FOLIA PHARMACOLOGICA JAPONICA (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.116, pp.18P-22P, 2000-11-01

ゲノム、プロテオーム、フィジオームという、全体とネットワークとを解析する"-ome"研究が意味を持つのは、たとえばプロテオーム研究においては、素子としての個々の蛋白質分子と、素過程としての分子間相互作用がそれぞれ物理化学的に詳細に明らかにされていることが前提である。単なる部品の名前と結果としての各部品の機能だけでは、モデルとしてのネットワークを超えることはできない。そのための実体を明らかにする研究こそが、構造生物学およびそのゲノム・スケールでの構造ゲノム科学であり、創造的な薬物設計につながる。

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