著者
粕谷 大智 江藤 文夫
出版者
社団法人日本リハビリテーション医学会
雑誌
リハビリテーション医学 : 日本リハビリテーション医学会誌 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.12, pp.836-841, 2004-12-18

関節リウマチ(以下RA)は,関節を主症状とする全身性の慢性炎症性疾患である.寛解と増悪を繰り返しながら徐々に進行し,治療しないで放置すると関節の破壊と変形をきたし,日常生活の活動を著しく低下させる.RA患者の病苦は単に患者の身体面のみにとどまらず,広く精神的,社会的,経済的側面を含む生活全体に及んでいる.近年,このようなRA患者の多面的病苦をQOL(quality of life)の視点から総合的に捉え,これを定量的に測定することにより,患者個人の健康レベルの評価や疾患の臨床経過のフォローアップと治療に役立てていこうとする試みがなされるようになった.2002(平成14)年度の厚生労働省の調査によれば,骨関節,リウマチ性疾患は脳血管障害と並んで,肢体不自由の主要を占めており,脳卒中,老衰,転倒骨折に続く寝たきりの原因の第4位を占めている.一方,厚生労働省が毎年行っている国民健康調査によればRA患者の3〜10%は医療機関と併せて鍼灸,マッサージの治療を受けており,臨床上疼痛の軽減や可動域の拡大などを認めており,QOL向上に役立っている.

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