著者
小林 麻里子 奥脇 義行 川井 英雄
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 = Journal for the integrated study of dietary habits (ISSN:18812368)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.211-216, 2006-12-30
参考文献数
10
被引用文献数
1

&nbsp;&nbsp;<I>Staphylococcus</I>属菌及び<I>Streptococcus</I>属菌はPETボトル入り清涼飲料水中でも長時間の生存が可能な場合がある。そこで,これらの中で口腔内に常在していることの多い<I>S.aureus</I>と<I>S.pyogenes</I>の一定濃度の菌液を調製し, 菌数の変動を検討した。<BR>(1) <I>S.aureus</I>と<I>S.pyogenes</I>を接種した実験において, スポーツ飲料と乳酸菌飲料では<I>S.aureus</I>では菌数の変化が見られなかったが, <I>S.pyogenes</I>は5時間後までに死滅した。<BR>(2) むぎ茶飲料では<I>S.aureus</I>は増加し, <I>S.pyogenes</I>はわずかな減少を示した。<BR>(3) 紅茶飲料 (ミルクティ) は両菌種ともに増加した。<BR>(4) スポーツ飲料と乳酸菌飲料はpH3, むぎ茶飲料と紅茶飲料 (ミルクティ) はpH6程度であるため, 細菌の生存には成分も影響するが, pHの方がより強く影響することが示唆された。<BR>(5) むぎ茶飲料と紅茶飲料 (ミルクティ) との比較では, むぎ茶飲料はタンパク質, 脂質, 炭水化物を全く含まず, 原材料が麦の浸出液のみである。これに対し, 紅茶飲料 (ミルクティ) は乳成分 (牛乳, 脱脂粉乳など) や砂糖を含むため, 細菌の増殖に適した条件であると言える。<BR>(6) 黄色ブドウ球菌食中毒が発症するエンテロトキシン量は平均100~200ngとされる。これは, 食品中における<I>S.aureus</I>が10<sup>6</sup>cfu/g以上と同レベルの増殖である。本研究の紅茶飲料 (ミルクティ) では, 接種24時間後でもっとも増殖した試料でも10<sup>4</sup>cfu/mL程度である。このためエンテロトキシンが産生される条件に満たなかったと考えられた。

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こんな論文どうですか? 各種の清涼飲料中におけるStaphylococcus aureusとStreptococcus pyogenesの生残性(小林 麻里子ほか),2006 http://t.co/iJT3tkSWIT
こんな論文どうですか? 各種の清涼飲料中におけるStaphylococcus aureusとStreptococcus pyogenesの生残性(小林 麻里子ほか),2006 http://t.co/iJT3tkSWIT

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