著者
鈴木 達治郎
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌 = Journal of the Atomic Energy Society of Japan (ISSN:00047120)
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.402-409, 2007-06-30
参考文献数
11
被引用文献数
3 1

<p> 原子力ルネッサンスの期待が高まっている一方, イランや北朝鮮問題のように, 核不拡散問題はますます深刻化している。核テロリズムへの脅威も現実のものとして議論されるようになった。原子力平和利用が今後順調に拡大していくためには, 平和利用の需要を満たしつつ, 核拡散リスクを最小にしていく努力が必要とされる。その一つの具体策として, 2005年にエルバラダイ国際原子力機関 (IAEA) 事務局長から提案されたのが, 核燃料サイクルの多国間管理構想 (Multilateral Nuclear Fuel Cycle Approach : MNA) である。2006年2月, 米国ブッシュ政権は, やはり核不拡散と原子力平和利用の両立を目指して, 国際原子力パートナーシップ (GNEP) を提唱した。これら多国間管理構想の共通点としての狙いは何か。今後の実現に向けての課題は何か。GNEP構想発表1年を経て, あらためて総合的な視点でこれらの構想を見直して見よう。</p>

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