- 著者
-
高瀬 国雄
- 出版者
- The Japanese Society of Irrigation, Drainage and Rural Engineering
- 雑誌
- 農業土木学会誌 = Journal of the Japanese Society of Irrigation, Drainage and Reclamation Engineering (ISSN:03695123)
- 巻号頁・発行日
- vol.75, no.7, pp.591-594, 2007-07-01
- 参考文献数
- 10
東西冷戦終了後, アフリカ諸国の要請によって, 日本政府が主催した「東京アフリカ開発会議(TICAD)」は, 1993年から5年おきに開かれてきたが, アフリカ開発は遅々として進まない。その理由としては, アフリカ政府の主体性と協調性の低さ, 国際機関やドナーの援助方針のまずさ, 市民社会の軽視などが考えられる。しかしその基本には, アフリカ人口の7割以上の住む農村開発戦略の不在が, 大きく影響している。1960年代にアジアで成功した「緑の革命」の経験を, 自然・文化条件の異なるアフリカの食料・貧困の撲滅に活用するには「虹色の革新」が最適であろう。<BR>2008年に日本で開催されるTICADIVとG-8を目標として, 日本政府, 市民社会, 民間企業のより積極的な協力が切に望まれる。