著者
高橋 幸利
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.96, no.8, pp.1608-1613, 2007-08-10
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

抗てんかん薬による神経・筋障害は軽度のものを含めるとかなり高頻度に見られ,眠気のように共通したものから,抗てんかん薬ごとに特徴的な副作用まで多岐にわたる.バルプロ酸では,致死性肝毒性(意識障害,てんかん発作増悪)・催奇形性(神経菅閉鎖不全)・高アンモニア血症などが重要である.カルバマゼピンでは,中毒症状(眠気・複視・失調)・てんかん発作増悪(欠神発作・ミオクロニー発作など)が重要である.フェニトインでは,急性PHT中毒(水平性眼振,複視,失調)・進行性ミオクローヌスてんかんの悪化(失調,てんかん発作の悪化,退行)・精神障害(統合失調症様の症状)が重要である.ゾニサマイドでは,認知・精神症状(意欲の低下,幻覚,焦燥,うつ,不安)が重要である.ガバペンチンでは,眠気・部分発作の増悪が重要である.フェノバルビタールでは,行動変化(小児の行為障害,注意欠陥多動障害)・認知障害が重要である.トピラメートでは,精神症状(不安,焦燥,うつ)・認知障害・部分発作の増悪が重要である.<br>

言及状況

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