著者
鳥居 新平 赤坂 徹 西間 三馨 松井 猛彦 三河 春樹 三河 春樹
出版者
THE JAPANESE SOCIETY OF PEDIATRIC ALLERGY AND CLINICAL IMMUNOLOGY
雑誌
日本小児アレルギー学会誌 = The Japanese journal of pediatric allergy and clinical immunology (ISSN:09142649)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.288-300, 2005-08-01
被引用文献数
5 4

2004年10月までに喘息死亡例として登録された189例についてその年次変化をみるとこれまでの報告にも指摘されているように1998年頃から減少傾向にある.<br>そこで最近の変化をみるために1988年~1997年に死亡した158例と1998年~2004年に死亡した30例に分け集計した.<br>男女比は1997年以前は97:62であったが, 1998年以降は19:11であり, とくに大きな変化はみられなかった.<br>重症度との関係に関しては1997年以前と1998年以降と比較すると不明・未記入例を除くと重症例は44%が50%に, 中等症では30%が28%に, 軽症では26%が22%となり重症例ではやや増加傾向がみられたが, 中等症, 軽症では減少傾向がみられた.<br>死亡場所と死亡年齢の関係では病院における死亡は0~3歳 (71.1%) が最も多く, 次いで7~12歳 (54.2%), 13歳以上 (39.8%) と加齢に伴い減少傾向がみられた. 一方病院外の死亡は加齢とともに増加傾向がみられた.<br>既往歴に関しては入院歴, 意識障害, イソプロテレノール使用歴は1997年以前と1998年以降で減少傾向がみられたが, 挿管歴は増加傾向がみられた.<br>死亡の要因については予期不能がこれまでの集計にもあったように最も多かった.<br>死亡前1年間の薬物療法に関してはキサンチン薬剤が多かったが, 1998年以降は減少傾向がみられ, その他ステロイド薬やβ刺激薬の内服も減少傾向がみられるが, BDIが増加傾向となり1997年以前にはみられなかったβ刺激薬貼布薬の使用があらたにみられるようになった.<br>β刺激薬吸入過度依存例は全体として減少傾向にある.<br>怠薬は全体として減少傾向がみられるが, 年齢別にみると思春期に多くなる傾向がみられる.<br>怠薬と欠損家庭の関連をみると怠薬あり群は怠薬なし群に比べやや欠損家庭が多い傾向がみられるが, 有意な差とは考えられない.

言及状況

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こんな論文どうですか? 喘息死委員会レポート2004(鳥居 新平ほか),2005 http://id.CiNii.jp/BYRaNB

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