- 著者
-
大谷 典生
石松 伸一
- 出版者
- 一般社団法人 日本集中治療医学会
- 雑誌
- 日本集中治療医学会雑誌 = Journal of the Japanese Society of Intensive Care Medicine (ISSN:13407988)
- 巻号頁・発行日
- vol.14, no.2, pp.171-176, 2007-04-01
- 参考文献数
- 6
- 被引用文献数
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目的 : 当院救急部での末期医療の現状を明らかにし, その問題点を探る。方法 : 2004年4月~2005年3月の期間に当院救命救急センターで死亡転帰をとった患者の診療録よりデータ収集を行った。結果 : 対象は61例。発病前より自身の治療方針に関する意思表示があったのは5例。回復困難の説明時, 34例の家族は積極的治療の継続を希望していた。全例, 担当医と家族との話し合いで治療方針を決定していたが, 最終的に47例で “do not attempt resuscitation (DNAR)” の決定があった。倫理カンファレンスの介入はなかった。DNAR決定後, 一部治療で差し控えもしくは中断が行われていた。結論 : 末期医療は事例ごとに, あり方が異なるが, (1) 本人の意思確認が不能の際の治療方針決定方法, (2) 回復困難の判定方法, (3) DNAR決定後に許容される治療内容の変更範囲に関するガイドラインの作成が必要である。