- 著者
-
村井 政史
矢野 博美
大竹 実
岩永 淳
犬塚 央
貝沼 茂三郎
田原 英一
三潴 忠道
- 出版者
- 一般社団法人 日本東洋医学会
- 雑誌
- 日本東洋醫學雜誌 = Japanese journal of oriental medicine (ISSN:02874857)
- 巻号頁・発行日
- vol.61, no.7, pp.906-911, 2010-11-20
- 参考文献数
- 24
通脈四逆湯の附子を烏頭に変更し奏効した2例を報告した。1例目は33歳の女性。皮疹および瘙痒感を認め,通脈四逆湯を投与し白河附子を14gまで漸増したが改善しなかった。そこで冷えが極めて強いために,通脈四逆湯の白河附子を烏頭に変更したところ,皮疹および瘙痒感が改善した。2例目は42歳の男性。泥状便および全身倦怠感を認め,通脈四逆湯を投与し炮附子を10gまで漸増したが改善しなかった。そこで冷えが極めて強いために,通脈四逆湯の炮附子を烏頭に変更したところ,普通便となり全身倦怠感が改善した。附子を用いた通脈四逆湯では改善しない寒の強い病態においては,附子を烏頭に変更すると有効な場合がある。