著者
嶋脇 聡 酒井 直隆
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 = The Japanese journal of ergonomics (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.31-35, 2011-02-15
被引用文献数
1

ヒトが物体を把持する直前に,物体の形状や大きさに依存した手の形を準備するプリシェイピング動作を実行する.本研究の目的は,三次元動作解析システムを用いて指関節角度を計測することによって,プリシェイピングに及ぼす視覚条件の影響を調査することである.9人の健常者が4つの視覚条件(通常,閉眼,仮想,仮想閉眼)で円柱の把持を実施した.円柱は高さ120 mm,直径30 mmであった.関節の初期角度と最終角度の間である中間値までの中間時間が計測された.結果として,仮想条件におけるDIPとPIP関節の中間時間は通常および閉眼条件におけるそれらより有意に低値であった.4つの視覚条件におけるMP関節の中間時間の間で有意差は無かった.これは,通常および閉眼条件で,近位関節より順番に屈曲する「なじみ機構」が作用しているが,仮想条件では,3関節とも同時に屈曲したことを示した.

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