- 著者
-
大西 健児
- 出版者
- 一般社団法人 日本感染症学会
- 雑誌
- 感染症学雑誌 : 日本伝染病学会機関誌 : the journal of the Japanese Association for Infectious Diseases (ISSN:03875911)
- 巻号頁・発行日
- vol.85, no.2, pp.139-143, 2011-03-20
- 参考文献数
- 14
細菌感染症ではハイチで大流行し日本への侵入も危惧されるコレラ,フルオロキノロンに低い感性を示す菌が増加し治療に困難を伴うようになった腸チフスとパラチフス,ウイルス感染症では発症すればほぼ 100% が死亡する狂犬病,新型インフルエンザへの移行が危惧されている鳥インフルエンザ H5N1,報告数が増加傾向にあるチクングニヤ熱,寄生虫感染症ではアメリカ合衆国やカナダで集団食中毒を起こし,日本でも今後流行地からの帰国者で感染者数の増加が推測されるサイクロスポーラ症が最近注目されている輸入感染症であろう.日本人臨床医にとってこれらの輸入感染症にはなじみの少ないものもあり,診断にはこれらの疾患の存在を思いつくことが重要である.