著者
廣瀬 春次
出版者
山口大学医学会
雑誌
山口医学 (ISSN:05131731)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.11-16, 2012-05-01
参考文献数
15
被引用文献数
2

量的研究法と質的研究法の両者を含む混合研究法は,研究の妥当性・信頼性を高めるとともに,量的研究と質的研究のパラダイム論争に一つの方向を与える第3の研究法として発展してきた. 混合研究法を用いる研究者は,実証主義と構成主義という2つの異なるパラダイムを持つ量的研究と質的研究を併用するという点で,その哲学的前提について無関心ではいられない.現在,混合研究法のパラダイムとして最も支持されるのは,実用主義であるが,弁証法も有力である. 混合研究法の分類については,現在,統一されたものはないが,混合研究法の表記法については,共通のものが開発されている.著者は,混合研究法として分類されるには,質的・量的研究のいずれも,完全な研究として示されることが必要であることを提案した. 日本看護科学会誌の最近10年間の混合研究法を検索した結果,それ以前の10年間の検索結果とほとんど差がないことが示された.今後の混合研究法の展望として,一つの研究の中で2つの方法を相互参照するだけではなく,異なる研究間での相互交流が期待される.

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量的研究法と質的研究法の両者を含む混合研究法は,研究の妥当性・信頼性を高めるとともに,量的研究と質的研究のパラダイム論争に一つの方向を与える第3の研究法として発展してきた. https://t.co/adR1jzRgFI
「混合研究法の現在と未来」http://t.co/k2zvEGS1XA

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