- 著者
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桑原 考史
加藤 恵里
- 出版者
- 全国農業構造改善協会
- 雑誌
- 農業経営研究 (ISSN:03888541)
- 巻号頁・発行日
- vol.50, no.2, pp.49-54, 2012-09-25
野生動物による農作物被害が深刻化している。こうした中で鳥獣被害防止特措法が2008年に成立し,市町村や集落を主体とした被害防止対策に助成金を支給する仕組みが整備された。本稿は,効率的な獣害対策が実現している事例として団地的土地利用下における単位面積当たりの防除柵設置・管理コストを試算し,政策支援額の目安を提示するとともに,制度設計に示唆を与えた。事例として,集落内のほぼ全ての水田圃場を集積している営農法人における,イノシシ被害防止を目的とした山際のワイヤーメッシュ柵設置・管理を取り上げる。柵の物財費や設置・管理にかかる労働費等のデータの収集は,柵設置主体である営農法人からの聞き取り調査により行なった。