- 著者
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宮地 紘樹
市原 利彦
- 出版者
- Japanese Society of Phlebology
- 雑誌
- 静脈学 (ISSN:09157395)
- 巻号頁・発行日
- vol.23, no.4, pp.397-402, 2012-11-25
- 参考文献数
- 38
- 被引用文献数
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1
●要 約:症例は72歳の女性である.9年前に右足骨折後に肺塞栓を来したため下大静脈フィルター(Simon-Nitinol filter)を留置された.留置した4年後の胸部単純レントゲンで下大静脈フィルターの脚部分が肺動脈末梢に飛散している所見を認めた.精査の結果フィルターは破損しており6本あった脚は1本を残すのみとなっていた.分離した5本の脚は,下大静脈内,右室内,左肺動脈内にそれぞれ1本,右肺動脈内に2本移動していた.症状がないため手術による摘出は行わずワーファリンによる抗凝固療法で経過観察とした.下大静脈フィルター破損の報告はあるも,肺内異物としてフィルター構造物が塞栓を来した症例は極めてまれではある.今後長期留置における問題として啓蒙となるので報告する.