著者
牧山 正男 井上 真美
出版者
農村計画学会
雑誌
農村計画学会誌 = Journal of Rural Planning Association (ISSN:09129731)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.393-398, 2012-11-20
参考文献数
10
被引用文献数
1

滞在型市民農園(クラインガルテンとも呼ばれる。以下,KG)とは,宿泊可能な小屋(ラウベ)が個別に附設された市民農園である。本報では,KGに東日本大震災がもたらした影響と,それに対してKGの管理運営主体がとった対応について記録し,そこから見えてきた課題や今後の災害への備えについて,今日のKGを取り巻く状況をも一部踏まえながら整理する。対象としたのは,震源地や東京電力福島第一原子力発電所に近い,宮城県丸森町の不動尊クラインガルテンと筆甫クラインガルテン(以下,それぞれ不動尊KG,筆甫KG)である。その結果,震災発生直後,管理人たちは独自の判断により確認作業や奉仕活動を行ったこと,震災の影響でKG利用をやめた人がいる一方で,被災者や復旧工事関係者といった震災由来の新規利用者がいること,などが明らかとなった。さらに,来るべき災害に対し,利用者の安全確保に関する責任の所在の明確化や,KGの特性を活かした災害時のセーフティ・ネットとしての可能性の検討と,それを発揮するための仕組みづくりについて言及した。

言及状況

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こんな論文どうですか? 滞在型市民農園が東日本大震災によって受けた影響とそれへの対応に見られた課題 : 不動尊クラインガルテンおよび筆甫クラインガルテン(宮城県丸森町)の事例(牧山 正男ほか),2012 https://t.co/BjVvhJFUjM

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