著者
武山 絵美
出版者
農村計画学会
雑誌
農村計画学会誌 = Journal of Rural Planning Association (ISSN:09129731)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.11-15, 2013-06-30
参考文献数
31
被引用文献数
3

ドイツでは,国土の7割が可住地であり,計画的に土地利用を制御しなければ無秩序な開発が避けられない。そこで「国土空間の秩序は自然の(市場の)成り行きに任せるのではなく,公共の責任において形成されるべき」というRaumordnung(ラウムオードゥヌング)の考え方が定着している。これに対し,我が国の可住地は国土の3割にすぎず,開発コストや災害防除の観点から容易に開発できない残り7割の土地が,主に国土の中央に広がる。これにより,大局的に見れば,計画に因らずとも土地開発が制御されてきた。農村における地域住民の「日常的生活空間」と「非日常的生活空間」(住民生活とほとんど関わり合いのない空間)の境界もまた,計画的に制御されたものではなく,地形に対応して自然の成り行きで形成されてきた。しかし近年,農村では「非日常的生活空間」が無秩序に拡大し,これを誰が(主体)どう扱うかという問題が無視できない九そこで,本論では,広い「非日常的生活空間」を有する中山岡地域の農村に着目し,「日常的生活空間」と「非日常的生活空間」の境界を計画的に制御することの重要性と,その実現に向けた土地利用計画手法を考察したい。

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