著者
竹村 朋子
出版者
公益財団法人 情報通信学会
雑誌
情報通信学会誌 (ISSN:02894513)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.93-106, 2013-09-25
参考文献数
24

本稿の目的は、デジタル先進国の韓国における若者の「ダウンロードしたテレビ映像ファイルの視聴」と「テレビ機器を通した映像視聴」を比較し、各映像視聴手段の利用動機と利用動機をもたらす社会状況およびメディア状況について理解することである。そして、ダウンロードによるテレビ映像視聴がテレビ機器を通した映像視聴を代替しうるかを考察する。インタビュー調査の結果から、「ダウンロード視聴」に関して、「ファイルの保有性」「時間からの解放」「場所からの解放」「映像の多様性」「選択的視聴」「テレビ機器の非所有」という既存メディアの先行研究とは異なる利用動機が示された。「テレビ機器視聴」は、「共同視聴」「リアルタイム視聴」「画面の特性」などテレビ機器の独自特性に関連した動機によって行われている傾向がみられた。映像視聴動機に影響をもたらす要因として、「映像視聴手段の多様化」「映像コンテンツの多様化」「個人用テレビ機器の非所有」「地上波放送以外の放送コンテンツの人気」「日常生活の忙しさ」が確認された。「ダウンロード視聴」と「テレビ機器視聴」の2つの映像視聴手段が独自の動機をもって利用されていたことから、テレビ放送の存在価値を維持・向上するために、テレビのメディア特性を生かした映像視聴のあり方が求められる。

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こんな論文どうですか? 韓国の若者によるテレビ番組映像ファイルのダウンロードおよび視聴行動とその動機 -「利用と満足研究」の視点からテレビ機器を通した映像視聴行動との比較-(竹村 朋子),2013 https://t.co/tdkxHCcXsT
こんな論文どうですか? 韓国の若者によるテレビ番組映像ファイルのダウンロードおよび視聴行動とその動機 -「利用と満足研究」の視点からテレビ機器を通した映像視聴行動との比較-(竹村 朋子),2013 https://t.co/tdkxHCcXsT

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