著者
加藤 恵介
出版者
神戸山手大学
雑誌
神戸山手大学紀要 (ISSN:13453556)
巻号頁・発行日
no.4, pp.1-9, 2002

ハイデガーのフライブルク大学総長就任講演「ドイツ大学の自己主張」は,周知のように,ハイデガーのナチ加担期を代表するテクストである。ここでは,この講演を特徴づけているいくつかの論点について考察するために,この講演を,今一つの大学をめぐる講演と比較してみたい。それは,ニーチェの「われわれの教養施設の将来について」第五講である。二つの講演の論点はいくつかの共通点を示しており,このことは,ここでのハイデガーの論点がドイツ・ロマン派の伝統,とりわけニーチェから受け継いだモティーフを含んでいることを示している。

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