著者
西澤 正己 孫 媛
出版者
国立情報学研究所
雑誌
NII journal (ISSN:13459996)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.51-60, 2003-09-30

新しい研究分野においては,従来の研究分野分類が現実の研究環境に整合しない局面が多く見られる.特に,他の分野との関連を深めながらその領域を広げている情報学では,その傾向が大きい.そこで,情報学分野の研究者約1800 名に対するアンケート調査をおこない,情報学の研究結果がどのような学術誌に投稿されているかを分析した.その結果,情報科学の3 細目分野を比べると,「計算機科学」は欧文学術誌に比較的多く投稿されるのに対して,「情報システム学」は60%以上が和文学術雑誌に投稿されるなど,投稿する資料の種類に大きな差があることが明らかになった.また,研究者が「権威がある」として挙げた論文誌とISI 社のJCR によるインパクトファクター(IF )の関係では,特にIF が高い雑誌のみが選ばれているわけではないことが判った.さらに,採録論文の分野の広がりとIF の間に相関があるものが多く,雑誌の評価をIF によって判断するのは注意が必要であることが判った.

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