著者
今井 佐恵子
出版者
福知山公立大学
雑誌
京都短期大学論集 (ISSN:02866390)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.17-24, 2002-03-15

戦後わが国では食生活の欧米化が進んできた。しかし, 高エネルギー, 高脂肪の食生活は生活習慣病を引き起こし健康長寿に結びつかないことが明らかとなり, 食の欧米化に歯止めをかける必要に迫られている。この論文では明治時代に生活様式の洋風化の風潮のなか副食を充実させた日本食を陸軍の兵食基準に定めた森鴎外と, 衣食住すべてにおいて欧米化を推進すべしと主張した福澤諭吉の食生活論を比較検討した。森鴎外は食糧を自給することの重要性を訴えたが, 福澤諭吉は米をはじめとする食糧も外国から輸入すればよいとした。しかしながら, 2人に共通していたのは誰もが新しい情報を得ることができ, 実験により証明することのできる西洋科学を日本に導入することであった。

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