- 著者
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李 玄玉
- 出版者
- 九州看護福祉大学
- 雑誌
- 九州看護福祉大学紀要 (ISSN:13447505)
- 巻号頁・発行日
- vol.2, no.1, pp.91-98, 2000
本研究は、自閉症児を対象にして音声並びに非音声レベルのコミュニケーション機能を分析し、その特徴を検討することを目的とした。その結果、自閉症児における話しかけの実用機能の特徴としては、他者から物やサービスを得ようとする道具機能に集中しており、応答的発話においてもほぼWH機能に限られている特徴が認められた。また、本研究の自閉症児におけるコミュニケーション行動の問題は、自発的発話が興味。関心の狭さと結びついており、かつ言語表出がパターン化された紋切り型のスタイルをとっていることと考えられた。 そして、本研究の自閉症児では母親のことばを即時に模倣する行動が見られたが、このようなことばの模倣がやりとり遊びへ発展することは全く見られなかった。このような問題も本自閉症児で観察された興味。関心の狭さと関連しているように思われた。