著者
湯浅 美千代 野口 美和子 桑田 美代子 鈴木 智子
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学看護学部紀要 (ISSN:03877272)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.9-16, 2003-03
被引用文献数
2

本研究の目的は,痴呆症状を有する患者が本来持っている能力を見出す方法を,実践者の経験から明らかにすることである.研究方法は,ある老人病院において痴呆患者のケアを提供している実践者5名(看護師3名を含む)へのインタビューであり,その内容を質的に分析した.その結果,以下の知見が得られた.1.ケアによって,痴呆患者が本来持っている能力の発揮を妨げる場合がある.2.痴呆患者が本来持っている能力を見出す方法として,『見方を変えること』『患者が安心できること』『患者の内面を理解し,その気持ちや思いに気づくこと』『患者のもつ可能性を探ること』があげられ,またその具体的な方法が得られた.3.痴呆患者が本来持っている能力を見出すために基盤となるケア姿勢が必要である.

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