- 著者
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酒井 郁子
吉本 照子
杉田 由加里
山下 朱美
平井 愛山
- 出版者
- 千葉大学
- 雑誌
- 千葉大学看護学部紀要 (ISSN:03877272)
- 巻号頁・発行日
- vol.25, pp.53-59, 2003-03
体動測定機器を用いて,病院に入院している高齢者の睡眠および看護師の観察の実態を把握し,体動測定機器(リストケア)を使用した睡眠に関する観察支援方法を検討する目的で研究を行った.2事例の分析から病院に入院している高齢者の睡眠障害には「入眠困難」,「睡眠中断」,「覚醒の持続」という睡眠の障害が見いだされた.また「覚醒の持続」では,患者の言動は混乱状態であった.覚醒の持続のきっかけとなった要因として,過剌激による入眠困難,睡眠中断があることで睡眠時間の確保が困難であったこと,および身体拘束による心理的なストレスが加わったことが考えられた.また看護師が行うことは難しい継続的な睡眠状態をモニタリングでき,患者・看護師双方に負担の少ない生体計測システムを実践に活用することで,高齢者の睡眠状態に応じたケアを提供したり,混乱状態を予防するケアを開発することが可能になると考えられた.