著者
雛田 元紀
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
東京大学宇宙航空研究所報告 (ISSN:05638100)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.225-247, 1972-04

高度70〜80kmにおけるS-160型ロケットのパラシュート回章の信頼性を向上させるため,液体の蒸気圧を利用してピラシュートを強制的に回章させる方式が採用されることになった.これはパラシュートの縁に液体の蒸気圧によって広げられるトーラスを取付け,それによってパラシュートを強制回章させるもので,この方式に関する一連の実験が行なわれた。本文では,これら一連の実験,すなわち,強制回章方式の特性を謁べるための模型パラシュートによる地上での予備試験,二種類のトーラス付き実物パラシュートによる高度29km上空における気球での放出試験.S-160- 3号機での高度68kmにおける本格的放出試験などが述べられている.また強制回章方式によるパラシュート回章のメカニズムや回章時間が理論的に考察され,さらにトーラス形状やトーラス内に用いる液体の選択について検討されている.

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