著者
鮎川 勝
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.229-256, 2001-07

第41次南極地域観測隊は, 鮎川勝隊長以下60名(うち渡邉研太郎副隊長以下越冬隊40名)で構成された。このほか環境庁1名, 報道1名, 大学院学生1名(総合研究大学院大学極域科学専攻), 南極条約に基づく交換科学者としてベルギー王国から1名が同行者して, 夏隊と行動を共にした。1999年11月14日, 東京港を出発した砕氷艦「しらせ」は, 途中オーストラリアのフリマントルに寄港したのち, 12月17日にリュツォ・ホルム湾沖に到着し, 24日に昭和基地に接岸した。1999年12月20日から2000年2月14日までの間に, 昭和基地への物資輸送および基地の廃棄物の積み込み, 同基地での建設作業, 内陸および沿岸地域における野外観測などを行った。昭和基地等への輸送物資量は1117tで, 昭和基地から「しらせ」に積載した廃棄物量は195tであった。輸送物資量および持ち帰り廃棄物量ともにこれまでの最大の輸送量となった。建設作業は, 第1および第2夏期隊員宿舎の増築とその機械設備の設置, 基地電力幹線の移設埋設工事・給排水配管工事, 300kVA発電機オーバーホールなどの基地整備関連作業と, ヘリポートのコンクリート打設工事, 廃棄物保管庫の新築, クリーンエネルギー(太陽光, 風力)発電装置の設置工事などの環境保全関連作業を実施した。夏期の野外観測は, 内陸みずほルート沿い約200kmの測線で人工地震による地殻構造探査を実施したほか, 宗谷海岸露岩域一帯の生物, 地学調査, ラングホブデ地域のペンギン生態調査と氷河末端域の雪氷調査等を行った。また, 測地部門ではピラタス機による宗谷海岸露岩域の航空写真撮影を実施した。2月14日に第41次夏隊と第40次越冬隊の基地残留作業者を昭和基地から「しらせ」に撤収し, 2月15日に北上を開始した。リュツォ・ホルム湾の流氷縁の開水面南限で昼夜観測を含む海洋停船観測を実施した後, プリンスオラフ海岸沖の海底地形測量を実施しつつアムンゼン湾に移動し, この地域で地学, 生物調査を実施した。プリッツ湾の中国中山基地における宙空系の観測装置の保守点検を2月26日に行いヘリコプター支援による夏期観測を終了した。3月1日に南緯61度, 東経80度付近で係留系ブイの揚収と設置および停船観測を行った後帰路についた。3月20日, シドニー入港, 27日空路成田に帰国した。海洋停船観測は往路復路ともに計画通り実施した。

言及状況

Twitter (1 users, 4 posts, 0 favorites)

こんな論文どうですか? 第41次南極地域観測隊夏期行動報告1999-2000(鮎川 勝),2001 http://id.CiNii.jp/1oJL 第41次南極地…
こんな論文どうですか? 第41次南極地域観測隊夏期行動報告1999-2000(鮎川 勝),2001 http://id.CiNii.jp/1oJL 第41次南極地…
こんな論文どうですか? 第41次南極地域観測隊夏期行動報告1999-2000(鮎川 勝),2001 http://id.CiNii.jp/1oJL 第41次南極地…
こんな論文どうですか? 第41次南極地域観測隊夏期行動報告1999-2000,2001 http://ci.nii.ac.jp/naid/110000206221 第41次南極

収集済み URL リスト