- 著者
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林 正久
- 出版者
- 国立極地研究所
- 雑誌
- 南極資料 (ISSN:00857289)
- 巻号頁・発行日
- vol.60, pp.28-37, 1977-11
第16次南極観測隊員として,1975年12月12日から1976年2月15日まで,昭和基地南東部の一流域を選び,雪渓の融水流の測定を行った.この流域は,雪渓の融水によって涵養されている.調査期間中に,4.8×10^3 tonの雪が消失し,そのうち3.1×10^3 tonが融水流として観測された.このことは,極地露岩地域の雪渓の消耗は,主として融水流の形をとるということができる.気候要素との関係をみてみると,気温が氷点以上になることが多かった1月上・中旬は,雪渓の消耗量は気温に影響され,氷点を越えることの少ない1月下旬以降は,日射量の変化が流出量を左右しているといえる.