- 著者
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田中 重人
- 出版者
- 日本社会学会
- 雑誌
- 社会学評論 (ISSN:00215414)
- 巻号頁・発行日
- vol.48, no.2, pp.130-142, 1997-09-30
- 被引用文献数
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女性のフルタイム継続就業に対して学校教育が持つ影響力について論じる。近代型の性別分業に関心を限定するため, 家族経営型の自営業に属する女性はのぞいて分析する。まず戦後日本社会における急激な高学歴化にもかかわらずフルタイム女性の比率が一定水準を保ってきた事実を, 1955-95年のセンサス・データから確認する。ついで1985年, 95年の全国調査による女性個人経歴データを分析する。<BR>大卒女性は一見フルタイム継続率が高いようにみえるが, 教員をのぞいた分析ではこの関連は消える。上の関連は, 教員というフルタイム継続しやすい特別な職業と大卒学歴とがむすびついているための擬似的なものにすぎない。大卒者数と教員数が独立だということから考えて, 高学歴化と女性フルタイム継続率の変化とは無関係と結論できる。女性本人の職業的地位と結婚相手の職業的地位を統制したロジスティック回帰分析でも, 学歴の効果はみられない。<BR>分析結果から, 学校教育はフルタイム継続就業に影響しないといえる。