著者
桂 〓一
出版者
京都府立大学
雑誌
西京大学学術報告. 農学 (ISSN:03709329)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.97-106, 1956-09-01

1. Phytophthora capsici LEON.菌の游走子嚢の発芽は, 游走子による間接発芽と発芽管による直接発芽との2型がある。2. 游走子嚢の間接発芽は水を得てから25℃で4∿8分にして始り, 20°∿21℃で15分後に1.4%の発芽が認められた。そして間接発芽はほゞ45分余で大部分が完了するのに対し, 直接発芽は20°∿21℃でも28℃でも約1時間半後から始まつた。3. 游走子嚢は水がなければ発芽することは出来ないが, 直接発芽は関係空気湿度100%に20時間おかれたものに1.8%認められた。4. 游走子嚢は茄子, 蕃茄, 胡瓜, 玉葱, 梨, 柿, 枇杷の搾汁原液中で間接発芽がおこらないが, 直接発芽は玉葱を除く他の何れでも認められた。5. 蕃茄果実汁液の100倍液はpH5.4であつたが, 游走子嚢が開口せずに游走子が殻内で被嚢するものが多く, しかも被嚢胞子が発芽して游走子嚢の殻壁を貫通するものがあつた。6. これと同じ現象が蒸溜水にN/10HClを加えて調整したpH5.0と5.6との間の酸性溶液の中で起つから, 間接発芽は酸性溶液に対して著しく敏感であり, pH4.8以下の酸性溶液では間接発芽は阻害せられた。なお塩基性の側における間接発芽はpH11.0∿11.2でもなお17.1%認められた。

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こんな論文どうですか? Phytophthora capsici LEONIAN 菌游走子嚢の発芽生理に関する研究 (1)(桂〓一),1956 http://id.CiNii.jp/BtWXL

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