著者
斎藤 博
出版者
埼玉医科大学
雑誌
埼玉医科大学進学課程紀要 (ISSN:0287377X)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.77-84, 1998-03-31

私はラファエロの「アテネの学堂」には, 医師ヒポクラテスが描かれていると推測した。ラファエロは「アテネの学堂」の最上段には神の世界を, 上, 下段に人間の世界として, 左には知の世界を, 右には術の世界を描いた。そして, ギリシア哲学者中, 「神に等しい者」に適う人物を, 上段の人物中に描いた。特に, プラトンとアリストテレスを高く評価し, 中央の王道に二人を配置し, 彼等の頭上には神への道が開かれていた, と表現したのではなかろうか?なお, ラファエロはヒポクラテスを, 技術の守護神アテネの下の上段右に「神に等しい者」として置き, その下段右隅には, 人間である術者, 画家ラファエロ自分自身を署名者として置いて, 「アテネの学堂」を完成させた, と解釈出来ないか?

言及状況

はてなブックマーク (1 users, 1 posts)

収集済み URL リスト