- 著者
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小川 一夫
岡村 和明
- 出版者
- 学術雑誌目次速報データベース由来
- 雑誌
- 經濟研究 (ISSN:00229733)
- 巻号頁・発行日
- vol.52, no.2, pp.132-142,190, 2001
本稿では「家計調査」収録の費目別消費データに基づいて,余暇と消費の間の弱分離性を統計的に検証する.弱分離性が棄却されれば,余暇水準は支出行動に直接的な影響を及ぼすことになる.われわれは,条件付き需要関数に基づき,家計にとって余暇水準が与えられた下で,家計の支出行動に検討を加えた.実証分析の結果,総支出弾力性は余暇時間の大きさに依存することが明らかとなり,消費と余暇時間の間の弱分離制は棄却された.消費サービスを享受する行為に時間が必要とされる「教養・娯楽」,「住居」といった費目への総支出弾力性は,余暇時間が増加するにつれて上昇する傾向が観察される.逆に,労働と密接に結びついて消費費目である「被服及び履物」,「保険医療」といった費目への総支出弾力性は,余暇時間の増加につれて低下していくことが見いだされる.We examine the effects of leisure on household commodity demands using data on monthly expenditure from Japanese Household Expenditure Survey during 1970 to 1996. Specifically we test the separability of commodity demands from leisure based on conditional demand functions. Separability is decisively rejected and it is found that as the time allocated to leisure increases, the total expenditure elasticity of recreation and housing rises, while that of clothing and medical care falls.