著者
孫 媛
出版者
国立情報学研究所
雑誌
学術情報センター紀要 (ISSN:09135022)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.103-111, 1997-03

テスト理論の分野で近年重要性が増している項目反応理論 (IRT) は、テストデータの一次元性を仮定している。しかし、現実のテストでは、項目に正答するのに複数の能力が関与していると考えざるを得ない場合も多い。そのような多次元データに対して、被験者を多次元潜在空間における能力ベクトルとして位置づける多次元項目反応理論 (MIRT) が提案されている。MIRTモデルは、特に認知診断テストへの適用が有望視されているが、いくつかの問題も残されている。一方、個人の能力特性値の変動を導入することによって、一次元IRTを拡張したものとして、一般化項目反応理論 (GIRT) がある。GIRTモデルでは、攪乱能力次元の影響を、能力特性値の変動の個人差によってある程度説明できるので、多次元データへの適合が改善される。本研究では、 MIRTモデルとGIRTモデルの解析的観点からの比較、両モデルの特徴・適用場面の検討が行われる。

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