- 著者
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福田 瑛子
- 出版者
- 和洋女子大学
- 雑誌
- 和洋女子大学紀要. 家政系編 (ISSN:09160035)
- 巻号頁・発行日
- vol.40, pp.229-235, 2000-03
組成繊維が異なる各種の白色布について,屋内乾燥,天日乾燥,ガスおよび電気乾燥機などによる乾燥を繰り返し行い,白色度,黄色度,L^*a^*b^*などの変化を測定し,布の色相に及ぼす乾燥方法および乾燥回数の影響について検討した。得られた結果は次の通りである。1) 羊毛,ポリエステル,ナイロンの白色布は繰り返し乾燥により白色度が低下し,黄色度は増加する。いずれも天日乾燥による変化が大きいが,特に羊毛の変化が大きい。2) 本研究で用いた綿は天日乾燥25∿30回程度まで白色度は向上し,黄色度は低下する。一方,L^*a^*b^*の測定結果を見ると,綿の原布は青味を帯び,天日による繰り返し乾燥により無彩色の方向に変化している。綿布の白色度および黄色度の変化は,蛍光染料の退色,脱落によるものと考えられる。3) 麻は繰り返し乾燥により,僅かではあるが無彩色(白色)の方向に変化する。4) 麻,キュプラ,アセテートは,いずれの乾燥方法でも色相はほとんど変化しない。5) 綿,麻,ポリエステルでは,天日乾燥に比べて屋内乾燥,乾燥機ともに色相変化は少なく同程度であるが,ナイロンでは乾燥機の場合,30回以上で天日乾燥と同様に黄変し,紫外線のほか熱の影響を受けやすい。