著者
山田 ゆかり
出版者
名古屋文理大学短期大学部
雑誌
名古屋文理短期大学紀要 (ISSN:09146474)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.19-26, 1995-04-01

山田(1989)は, 小学校5年生, 中学校, 高校, 大学の各2年生の4群の20答法における自己記述を, 自己のあり方の内容面と構造面を分析するための2種類のカテゴリーを用いて分析し, correspondence analysisの手法を用いた多変量解析を適用して, 青年期における加齢にともなう自己記述傾向の変化について検討した.本研究では, その変化の様相をさらに具体的に検討するため, 記述順位を考慮した場合での, 個々の分析カテゴリーの記述傾向を手がかりとして検討した.その結果, 加齢にともなう自己記述傾向の変化の詳細な様相について, 具体的に明らかにすることができた.しかし全体としては, 記述の内容・構造のいずれの面においても, またいずれの年齢段階においても, 記述順位によって記述傾向に顕著に異なる特徴が認められるというよりは, 山田(1989)において全記述順位を一括して処理した結果に基づいて指摘された, 加齢にともなう自己記述傾向の変化にそのまま対応する特徴が, 記述順位の全般にわたってあらわれていることが認められた.

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