- 著者
-
近藤 みゆき
- 出版者
- 学校法人滝川学園 名古屋文理大学
- 雑誌
- 名古屋文理短期大学紀要 (ISSN:09146474)
- 巻号頁・発行日
- vol.23, pp.149-155, 1998
ドイツ料理はその国民性の現れか, つつましく簡素で内容を重視しており, 素朴で暖かみのある料理である.気候的に寒い時期が長いので, 体の温まる肉類を多く用いる, 豚肉が最も一般的で牛肉, 子牛肉, 鶏肉, 珍しいところでは, がちょうの肉も食べられる.また, 猟鳥や猟獣のきじ, うずら, 鹿, いのしし, 野うさぎを使った料理もドイツのレストランなら食べることができる.豚肉を利用したハム・ソーセージの種類の豊富さは有名である.魚料理ではうなぎの燻製やにしんの塩漬けが挙げられる.野菜では, じゃがいもを用いた料理が多く, キャベツを塩漬けにして発酵させたザワークラウトも種々の料理で使われている.果物も大変好まれ, 生・または乾燥させたものを肉料理の付け合わせやデザートに使う.ドイツのケーキ類のおいしさは, オーストリアと並んで賞されている.この中から世界中で食され, とりわけドイツで種類の多いじゃがいも料理をドイツ料理の原本『Wir kochen gut』<sup>1)</sup>と『Kartoffeln』<sup>2)</sup>から紹介する.以下1〜3及び表1,2は, 著者の試訳である.