著者
松村 ちづか
出版者
順天堂大学
雑誌
順天堂医療短期大学紀要 (ISSN:09156933)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.66-76, 2001-03-29
被引用文献数
2

本研究の目的は,終末期在宅療養者の自己決定と家族の意向が不一致な状況を解決し療養者の自己決定を実現しようとする際の熟練訪問看護者の判断内容を抽出し,その内容から熟練訪問看護者が意図するケア機能を分析することであった。5名の熟練訪問看護者を対象とし,熟練訪問看護者が療養者の自己決定を支援する家庭訪問場面の参加観察と面接を基に,帰納的質的方法を用いて分析した。そして以下のような結果を得た。1.熟練訪問看護者の判断内容50カテゴリーが抽出された。2.熟練訪問看護者の判断内容から導き出されるケア機能として,査定機能,モニタリング機能,サポート機能,教育機能,アドボカシー機能,関係構築機能,調整機能が抽出された。以上の結果から,在宅看護において訪問看護者が終末期療養者の自己決定と家族の意向との不一致を解決し療養者の自己決定を支えるためには,正確な査定・モニタリング力と共に,療養者と家族に対するサポート機能・アドボカシー機能・関係構築機能の重要さが示唆された。

言及状況

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こんな論文どうですか? <原著論文>熟練訪問看護者の判断内容から導かれる終末期療養者の自己決定を実現するためのケア機能 : 終末期在宅療養者の自己決定と家族の意向が不一致な状況から(松村 ちづか),2001 … https://t.co/puBsxXKETR

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