著者
今田 高俊
出版者
北海道社会学会
雑誌
現代社会学研究 (ISSN:09151214)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.27-48, 1998

本稿の目的は,ラグビー日本選手権で7連覇を遂げた神戸製鋼ラグビーチームを事例にして,非管理型の自己組織化がどのような条件の下になされるかを分析することにある。現代的自己組織性論から導かれる組織原理は,ゆらぎと自己言及性に依拠した脱管理・反制御のシステム形成であるが,それが具体的にどのようになされるかは開かれた課題である。本稿では,自己組織化の条件として,1)個の発想を優先すること,2)ゆらぎを秩序の源泉とみなすこと,3)不均衡ないし混沌を排除しないこと,4)コントロール・センターを認めないこと,の4つを設定する。これらの条件にかんし,既存の資料を用いて,神戸製鋼チームがどのように取り組んできたかを明らかし,非管理型の自己組織化を実証的にあとづけることで,スポーツ界だけでなく一般の組織ひいては社会システムにおける自己変革過程の具体像を探求する。

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