著者
蜷川 彰 畑 篤
出版者
富山大学
雑誌
高岡短期大学紀要 (ISSN:09157387)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.67-73, 1999

生漆またはウルシオールとコバルト粉末,及びウルシオールと酢酸コバルトとの反応について検討した。これら3種類の反応のなかでは生漆とコバルト粉末との反応生成物は最もコバルトイオンの取り込み量が多く,肉もちのよい黒漆となった。生漆とコバルト粉末及び鉄粉末との反応物から得られた塗膜の抽出物の赤外線吸収スペクトルを比較すると,3050cm^<-1>付近のアルケンの吸収がコバルト粉末を用いると鉄粉末の場合より少なく,ウルシオール側鎖の反応がより進んでいることを示した。しかし,ウルシオール・コバルト錯体の可視吸収スペクトルはウルシオール・鉄錯体のそれと比較すると700から600nmにかけての吸収強度が小さかった。

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