著者
足利 美智也
出版者
九州保健福祉大学
雑誌
九州保健福祉大学研究紀要 (ISSN:13455451)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.41-49, 2003-03-25

この小論文は、日本人による海外留学の歴史を簡略に索描したものである。1900年、津田梅子が米国留学から帰国後苦労して女子のための学校を作ったのと同じ年に、夏目漱石はロンドンに留学し、勉学と金銭問題の苦労を味わう事になった。この両者の苦労は今もなお最も中心的な留学の課題であるといえよう(I節)。1900年以前のわが国の海外留学は、遣唐使、遣唐使から鎖国をはさんで幕末の留学ブームに至る長い紆余曲折があり(II節)、20世紀に入ると、第2次世界大戦後のガリオワ・エロア基金、フルブライド留学基金以後、圧倒的多数を占めるようになった現在の私費留学までの流れをたどる事ができる(III節)。現在、世界中で留学生数は150万人を超え(UNESCO年鑑、1999)、日本から海外へ留学する人の数も2000年には193,779人(法務省調べ)を記録している。留学生と留学問題に関する本格的な研究はまだまだこれから先の課題である。

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足利 美智也(2003)日本人による海外留学の歴史的素描 https://t.co/OUKYIFFG0C

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