著者
村岡 三奈子
出版者
長崎純心大学・長崎純心大学短期大学部
雑誌
純心人文研究 (ISSN:13412027)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.25-40, 2000-03-01

「ことばは肉体となった」-ジョン・ミルトン(John Milton, 1608-74)の後期三部作のうち『楽園喪失』および『闘士サムソン』に於いてそれぞれ寓意的に描出される「神の知恵」は、『復楽園』(Paradise Regained, 1671)に於いて、神の御子キリストの受肉として具現化される。キリストは自己の肉体を恩寵のトポスとして、ここに喪失された知恵の回復を実現するのである。一方、敵対する誘惑者サタンのレトリックは、知恵のデフォルメであるサタン自身の化身を示唆している。ルカ伝4章に基づく荒野を舞台に、詩人は受肉のリアリティと化身のヴァニティとの壮絶な戦いを展開して行く。

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