著者
稲垣 良典
出版者
長崎純心大学・長崎純心大学短期大学部
雑誌
純心人文研究 (ISSN:13412027)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.1-24, 2005-03-01

I argue in this paper that, contrary to the widely accepted view that the philosophical concept of human person was first articulated in the modern philosophy, notably by J. Locke and I. Kant, the concept ot person became vacuous through the process of secularization in the modern period. After a clarification of the meaning of "secularization" through a reflection on the principle of the equality of all persons, I have attempted to substantiate my position through a critical reflection on the concept of "happiness" in Kant, and a brief analysis of the transformation of the idea of freedom in the modern period as compared to the middle ages.
著者
江口 惠子
出版者
長崎純心大学・長崎純心大学短期大学部
雑誌
人間文化研究
巻号頁・発行日
vol.1, pp.33-46, 2003-03-01

救護施設についての研究は少なく,利用者については,ほとんど研究対象になっていない。救護施設はそれぞれの施設によって,利用者形態が異なっている。どの施設を救護施設の現状と捉えるかは,判断に迷うところである。その地域で,さまざまな障害形態の人がいる。その状況に応じた形を持つ施設が,救護施設である。筆者は救護施設に勤務する中で,救護施設利用者が年々変化していることを痛感している。その利用者が,社会・経済・福祉政策・法律に最も左右されてきた人々ではないかと考えた。本稿では,(1)救護施設利用者の変遷を通じて,救護施設が変化し,時代的に展開していることを明らかにする。(2)年代別の全国救護施設の実態を明らかにし,救護施設と社会,経済,法律,貧困者・障害者政策との関係を考察する。(3)救護施設とその利用者が,時代経過の中で,どのような位置付けをされていたかを検証する。
著者
吉武 久美子
出版者
長崎純心大学・長崎純心大学短期大学部
雑誌
純心人文研究 (ISSN:13412027)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.17-24, 2001-03-15

The study investigated the effects of anxiety and public self-consciousness as a self-handicapping behavior occurs. The results were as follows: The subjects with high public self-consciousness chose more self-handicapping strategies than those with low public self-consciousness. And the subjects under low anxiety showed moderate performance. While the subjects under high anxiety that chose self-handicapping behaviors showed low performance, those under high anxiety that didn't choose self-handicapping behaviors showed high performance. It was suggested that the effects of anxiety and relationships between anxiety, self- handicapping, and performance.
著者
宮川 俊行
出版者
長崎純心大学・長崎純心大学短期大学部
雑誌
紀要 (ISSN:02867249)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.1-15, 1994-01-31
著者
松永 公隆 児玉 桂子
出版者
長崎純心大学・長崎純心大学短期大学部
雑誌
純心現代福祉研究 (ISSN:13421506)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.71-88, 2003-07-31

本研究では、痴呆性高齢者のための施設環境評価や指標を検討していくための基礎的な理解を行うために、アメリカにおける痴呆性高齢者に及ぼす施設環境の効果に関する実証研究の動向について、Dayら(2000)やWeisman in press)Kovachら(1997)をはじめとする既存研究のレビューをもとに整理、分類していくことを目的としたがその結果、研究論文は、1980年代から徐々に増えており、痴呆性高齢者のための効果のある環境のあり方に関する実証的知見は蓄積されつつあるものの、調査対象者のサンプル数の問題などの問題の影響もあり、現在の研究の状況は、十分に一般化できる調査結果であるとはいいがたい状況であった。しかしながら、SCUなどの小規模でhome likeを提供可能な環境が、痴呆性高齢者の情緒的安定や、見当識機能を含む身体機能の維持(あるいは向上)をもたらしていることが確認することができた。
著者
山脇 美代
出版者
長崎純心大学・長崎純心大学短期大学部
雑誌
純心人文研究 (ISSN:13412027)
巻号頁・発行日
no.10, pp.67-77, 2004

近年青年層におけるさまざまな社会問題と共に食生活のあり方に関心が高まっている。全国レベルでの調査結果を参考にしながら本学の学生の食生活習慣と健康上の問題との関わりを検討するためにアンケートによる調査を行った。結果の概要は次の通りである。1.健康状態 半数近くの学生に体調のすぐれないものがみられた。その自覚症状は多いものから眠い、だるい、疲れ易い、ストレス、肩こりなどであった。眠い、だるい、は3人に1人の割合で、疲れ易い人はおよそ4人に1人、肩こりとストレスは5人に1人の割合でいた。2.健康上の関心あること 全体では肌荒れ、体重、ダイエットの順に多く50%〜60%と高い関心を示した。健康グループがすぐれないグループより有意に高かったものは体重とダイエットのみであった。健康、食事と栄養に関してはすぐれないグループの方が有意に高かった。3.食事を選ぶ基準で最も多かったのは「好物」で60%であった。2番目は「そのときの気分」で44%であった。「好物」を、食事を選ぶ基準に上げた人の中で「そのときの気分」を選んだ人は37名いた。また栄養のバランスよりも価格の方を優先する傾向が見られた。4.食事回数 3食きちんと食べている人は56.8%で全国調査に比べかなり低い数値であった。1回の欠食者は9%で全国調査とほぼ同じであったが時々2食になる人は31%とかなり多かった。31%の人が朝食で毎日又は時々欠食していた。健康別食事回数ではすぐれないグループの欠食率が健康グループのそれより有意に高いことが認められた。体調のすぐれない人の約半分が朝食か昼食か夕食のいずれかを「いつも」叉は「時々」欠食していることになる。このように欠食の習慣が疲れ易いあるいはだるいなどの体調不良となって現れているものと思われた。5.よく食べる料理は和風料理で2/3の学生があげていた。1/3の学生は洋風料理をよく食べていた。中華風をよく食べると言う人は少なかった。健康別に差は見られなかった。6.間食はよく食べる人が40%、時々食べる人が54%でかなりの人が食べていた。健康別に差は見られなかった。7.よく飲む飲み物としては8割以上の人がお茶類を飲んでいた。食後の飲み物として日本茶(緑茶)が伝統的に飲用されているが、近年ではウーロン茶の人気も急上昇しており、緑茶とウーロン茶のペットボトルがよく売れているようである。カルシウムの給源としてすぐれた牛乳はあまり飲まれていなかった。すなわち健康グループでは8人に1人、すぐれないグループで5人に1人しかよく飲む飲み物として牛乳を選んでいなかった。8.外食の頻度 外食をほとんどしない人は21%、時々する人は76%と多く、毎日はわずかに3%であった。外食を毎日する人も、しない人もすぐれないグループに多かったが、健康との関連は特に見られなかった。昼食(49%)と夕食(73%)で外食する人が多く見られた。9.調理済み食品 約8割の人が調理済み食品を利用しているが、よく食べる人は2割、時々が約6割であった。健康別に差は見られなかった。購入場所はコンビニエンスストアとファーストフード店がそれぞれ約60%、スーパーと弁当屋がそれぞれ30%近くであった。10.栄養補助食品をよく食べる(飲む)人は6%で少なかったが時々食べる人は37%であった。全く食べない(飲まない)人は57.4%であった。種類はカロリーメイトが最も多く(66.7%)、ビタミン剤(33.3%)、カルシウム剤が続いていた。健康別ではすぐれないグループの方がカロリーメイトの飲食頻度が高かった。カルシウムとクロレラも同様であった。サプリメントの摂取理由は栄養補給、美容、健康維持の順に多く、栄養補給と健康維持はすぐれないグループに多かった。11.アルコールの飲用 時々飲む人は60%、その種類はカクテルが最も多かった。次に多かったのはビールで、後は焼酎、ワイン、日本酒の順であった。12.排便 毎日ある人は健康グループの方に多かった。全体的には不定期、つまり便秘ぎみと思われる人が40%ほどいた。以上のアンケートの結果から、健康面では決して良好とはいえない状況であることがわかった。欠食の習慣のある学生も「時々」を含めると全国に比べて多い。体調のすぐれない学生の症状に「眠い」や「疲れやすい」、「だるい」、「肩こり」が多く見られたことは問題である。主に朝食の欠食と生活リズムの乱れなどが健康に影響しているものと思われる。間食の量や種類、また、調理済み食品および外食の内容、栄養のバランスなどについてもう少し詳細な調査をする必要性を感じた。今後さらに検討していきたい。
著者
稲垣 良典
出版者
長崎純心大学・長崎純心大学短期大学部
雑誌
純心人文研究 (ISSN:13412027)
巻号頁・発行日
no.14, pp.25-42, 2008

In this paper, which is to be a part of my project of a systematic philosophy of human person, I have tried to present a more positive and complete ethics of human person, overcoming the negative character of the Kantian ethics of human person. The "dignity" of human person seems to be acknowledged almost universally, and its violation in every form is strictly and unconditionally forbidden. We hardly find, however, an adequate and full treatment of the ethical problem of the positive and fruitful way of living as a person. For example, although we often speak of "the formation of person" as the central educational objective, the exact ethical meaning of the "formation" of human person is extremely difficult to clarify. Another difficult problem of the ethics of human person is the possibility and the right way of loving human person as person. I have attempted to provide an answer to these problems through an examination of the "social" virtue of justice, particularly the general virtue of legal justice which has the common good as its proper object.
著者
〓 苗苗
出版者
長崎純心大学・長崎純心大学短期大学部
雑誌
人間文化研究
巻号頁・発行日
vol.6, pp.1-7, 2008-03

外来語は各民族間において政治,経済,文化およびテクノロジー等の交流により必然的に生まれたものである。現代中国語の中の有機的一部分であるし,不可欠な一部分でもある。外来語は中国漢民族の文化を豊かにし,人々に様ざまな新しい概念をもたらした。また,現在のグローバル社会においても,意思の媒介手段の一つとして重要な役割を果たしている。本稿は,中国語(漢語)における外来語を概観するものである。中国語において外来語の借用の歴史的発展および外来語の受入形式を例に挙げながら,外来語の受容の多様性を明らかにする。また,近年の外来語使用状況を調査し,日本と中国との外来語の受入状況を比較しながら,現代中国語において外来語使用の目的・機能の観点を分析する。時代の発展と共に,各領域において外来語の出現や借用がますます増える状況にあるが,中国語の言語構造的特性や中国人の意味を重視する心理的特性から,外来語の受容スピードは日本ほど速くないと推測できる。
著者
杉山 博昭
出版者
長崎純心大学・長崎純心大学短期大学部
雑誌
純心人文研究 (ISSN:13412027)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.71-85, 2001-03-15

In recent years, community development is paid attention in rural areas. This paper deals with social work in rural areas in Yamaguchi Prefecture, how it occurred and developed. In Yamaguchi Prefecture, livelihood problems turned serious in 1920's. Social work and rural counter plan were not differentiated. But administration encouraged promoting social work in 1930's. This paper deals with the development of social work, and introduces the examples of that in rural areas. Also, this analyzes the theory of rural social work that KIMURA Takashi and HIMEI Isuke insisted. Lastly, this points out that rural social work could not solve the livelihood problems in rural areas.
著者
片岡 瑠美子
出版者
長崎純心大学・長崎純心大学短期大学部
雑誌
純心人文研究 (ISSN:13412027)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.97-120, 2003-03-01

佐賀県馬渡島の、幼児も含めた信徒数が千人をようやく越える小さな教会の司祭と信徒が、「教会・家庭・学校が一体となって子どもたちを育てよう」と開いたカトリック学校「海の星学園」は、学校教育法に則り認可された小・中学校であった。 1946年の開校から離島の過疎化による1959年の廃校までに、482人が学んだ。 30年後、卒業生が編んだ思い出の記に心打たれ、「海の星学園」創設から廃止までをたどった。主となる資料は、「学校法人カトリック学園設立認可中請書」及び「海の星小・中学校廃止認可中請書」である。
著者
木山 愛莉
出版者
長崎純心大学・長崎純心大学短期大学部
雑誌
人間文化研究
巻号頁・発行日
vol.4, pp.1-13, 2006-03-01

近代中国は列強の侵略によって瓜分(分割)される危機に立たされていた。中国を亡国の危機から救うため,いちもく早く国民性の問題に気づいた梁啓超は,進んだ西洋の技術を取り入れることだけでは限界があることに気づき,独立国家を建設するため,まず国民性を改造し,独立自尊の国民を育てなければならないと考えた。梁啓超は,明治時代の日本における14年間に及ぶ亡命生活を体験し,当時の日本の思想家から多大な影響を受けながら,西洋思想も受容し,それを彼の国民性改造の取り組みにも生かされた。本稿は彼が国民性の改造において,もっとも注目した奴隷根性と愛国心という相対する二つの概念を軸に分析し,彼の国民性改造の思想を明らかにせんとしたものである。彼は,中国が数千年にわたって極めて衰え弱まったことについて,最大の原因は中国の古い慣習などによる人々の心に染み込んだ奴隷根性にあると分析し,その奴隷根性こそ,人々の自由人としての人格を奪い,自ら自己の権利を放棄するという弊害をもたらしたと指摘した。彼は国民性を改造するに当たって,最大の課題はその奴隷根性を取り除くことであると認識し,民権,つまり自由権の伸張を主張した。それは古い慣習を打ち破り,古人の束縛から抜け出して,他人に頼らず,自己の独立を確立することである。梁啓超は個人の独立を推し進めてこそ,はじめて一国の独立が実現できると認識し,己を愛する心から国を愛する心を喚起し,民衆に国家の一員である自覚を持つよう呼びかけたのである。
著者
潮谷 有二 児玉 桂子 足立 啓 下垣 光 松永 公隆 神谷 愛子 山口 結花
出版者
長崎純心大学・長崎純心大学短期大学部
雑誌
純心現代福祉研究 (ISSN:13421506)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.43-70, 2003-07-31

本研究では、国外において1990年代以降、痴呆性高齢者のための施設居住環境を評価するために開発されたPEAP(Weisman et a1., 1996)やNURS(Grant,1996)を参考に、わが国の介護保険施設の中でも生活施設としての性格を有した社会福祉施設の一つである介護老人福祉施設(以下、特養)に適用可能な8つの次元からなる多次元尺度による痴呆性高齢者環境配慮尺度(施設版)を開発するとともに、その尺度としての有効性についても検討することを目的とした。特養のケアワーカー306人から得られたデータを基に、因子分析を中心とした項目分析をおこなった結果、8つの尺度の内,「安心と安全への支援尺度」、「見当識への支援尺度」、「生活の継続性への支援尺度」、「入居者との触れあいの促進尺度」の4つの尺度の信頼性が高く、これら4つの尺度は、日本の特養の環境配慮の実施度の測定に適用することが可能であるということを示唆することできた。