著者
稲垣 良典
出版者
長崎純心大学・長崎純心大学短期大学部
雑誌
純心人文研究 (ISSN:13412027)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.1-24, 2005-03-01

I argue in this paper that, contrary to the widely accepted view that the philosophical concept of human person was first articulated in the modern philosophy, notably by J. Locke and I. Kant, the concept ot person became vacuous through the process of secularization in the modern period. After a clarification of the meaning of "secularization" through a reflection on the principle of the equality of all persons, I have attempted to substantiate my position through a critical reflection on the concept of "happiness" in Kant, and a brief analysis of the transformation of the idea of freedom in the modern period as compared to the middle ages.
著者
吉武 久美子
出版者
長崎純心大学・長崎純心大学短期大学部
雑誌
純心人文研究 (ISSN:13412027)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.17-24, 2001-03-15

The study investigated the effects of anxiety and public self-consciousness as a self-handicapping behavior occurs. The results were as follows: The subjects with high public self-consciousness chose more self-handicapping strategies than those with low public self-consciousness. And the subjects under low anxiety showed moderate performance. While the subjects under high anxiety that chose self-handicapping behaviors showed low performance, those under high anxiety that didn't choose self-handicapping behaviors showed high performance. It was suggested that the effects of anxiety and relationships between anxiety, self- handicapping, and performance.
著者
山脇 美代
出版者
長崎純心大学・長崎純心大学短期大学部
雑誌
純心人文研究 (ISSN:13412027)
巻号頁・発行日
no.10, pp.67-77, 2004

近年青年層におけるさまざまな社会問題と共に食生活のあり方に関心が高まっている。全国レベルでの調査結果を参考にしながら本学の学生の食生活習慣と健康上の問題との関わりを検討するためにアンケートによる調査を行った。結果の概要は次の通りである。1.健康状態 半数近くの学生に体調のすぐれないものがみられた。その自覚症状は多いものから眠い、だるい、疲れ易い、ストレス、肩こりなどであった。眠い、だるい、は3人に1人の割合で、疲れ易い人はおよそ4人に1人、肩こりとストレスは5人に1人の割合でいた。2.健康上の関心あること 全体では肌荒れ、体重、ダイエットの順に多く50%〜60%と高い関心を示した。健康グループがすぐれないグループより有意に高かったものは体重とダイエットのみであった。健康、食事と栄養に関してはすぐれないグループの方が有意に高かった。3.食事を選ぶ基準で最も多かったのは「好物」で60%であった。2番目は「そのときの気分」で44%であった。「好物」を、食事を選ぶ基準に上げた人の中で「そのときの気分」を選んだ人は37名いた。また栄養のバランスよりも価格の方を優先する傾向が見られた。4.食事回数 3食きちんと食べている人は56.8%で全国調査に比べかなり低い数値であった。1回の欠食者は9%で全国調査とほぼ同じであったが時々2食になる人は31%とかなり多かった。31%の人が朝食で毎日又は時々欠食していた。健康別食事回数ではすぐれないグループの欠食率が健康グループのそれより有意に高いことが認められた。体調のすぐれない人の約半分が朝食か昼食か夕食のいずれかを「いつも」叉は「時々」欠食していることになる。このように欠食の習慣が疲れ易いあるいはだるいなどの体調不良となって現れているものと思われた。5.よく食べる料理は和風料理で2/3の学生があげていた。1/3の学生は洋風料理をよく食べていた。中華風をよく食べると言う人は少なかった。健康別に差は見られなかった。6.間食はよく食べる人が40%、時々食べる人が54%でかなりの人が食べていた。健康別に差は見られなかった。7.よく飲む飲み物としては8割以上の人がお茶類を飲んでいた。食後の飲み物として日本茶(緑茶)が伝統的に飲用されているが、近年ではウーロン茶の人気も急上昇しており、緑茶とウーロン茶のペットボトルがよく売れているようである。カルシウムの給源としてすぐれた牛乳はあまり飲まれていなかった。すなわち健康グループでは8人に1人、すぐれないグループで5人に1人しかよく飲む飲み物として牛乳を選んでいなかった。8.外食の頻度 外食をほとんどしない人は21%、時々する人は76%と多く、毎日はわずかに3%であった。外食を毎日する人も、しない人もすぐれないグループに多かったが、健康との関連は特に見られなかった。昼食(49%)と夕食(73%)で外食する人が多く見られた。9.調理済み食品 約8割の人が調理済み食品を利用しているが、よく食べる人は2割、時々が約6割であった。健康別に差は見られなかった。購入場所はコンビニエンスストアとファーストフード店がそれぞれ約60%、スーパーと弁当屋がそれぞれ30%近くであった。10.栄養補助食品をよく食べる(飲む)人は6%で少なかったが時々食べる人は37%であった。全く食べない(飲まない)人は57.4%であった。種類はカロリーメイトが最も多く(66.7%)、ビタミン剤(33.3%)、カルシウム剤が続いていた。健康別ではすぐれないグループの方がカロリーメイトの飲食頻度が高かった。カルシウムとクロレラも同様であった。サプリメントの摂取理由は栄養補給、美容、健康維持の順に多く、栄養補給と健康維持はすぐれないグループに多かった。11.アルコールの飲用 時々飲む人は60%、その種類はカクテルが最も多かった。次に多かったのはビールで、後は焼酎、ワイン、日本酒の順であった。12.排便 毎日ある人は健康グループの方に多かった。全体的には不定期、つまり便秘ぎみと思われる人が40%ほどいた。以上のアンケートの結果から、健康面では決して良好とはいえない状況であることがわかった。欠食の習慣のある学生も「時々」を含めると全国に比べて多い。体調のすぐれない学生の症状に「眠い」や「疲れやすい」、「だるい」、「肩こり」が多く見られたことは問題である。主に朝食の欠食と生活リズムの乱れなどが健康に影響しているものと思われる。間食の量や種類、また、調理済み食品および外食の内容、栄養のバランスなどについてもう少し詳細な調査をする必要性を感じた。今後さらに検討していきたい。
著者
稲垣 良典
出版者
長崎純心大学・長崎純心大学短期大学部
雑誌
純心人文研究 (ISSN:13412027)
巻号頁・発行日
no.14, pp.25-42, 2008

In this paper, which is to be a part of my project of a systematic philosophy of human person, I have tried to present a more positive and complete ethics of human person, overcoming the negative character of the Kantian ethics of human person. The "dignity" of human person seems to be acknowledged almost universally, and its violation in every form is strictly and unconditionally forbidden. We hardly find, however, an adequate and full treatment of the ethical problem of the positive and fruitful way of living as a person. For example, although we often speak of "the formation of person" as the central educational objective, the exact ethical meaning of the "formation" of human person is extremely difficult to clarify. Another difficult problem of the ethics of human person is the possibility and the right way of loving human person as person. I have attempted to provide an answer to these problems through an examination of the "social" virtue of justice, particularly the general virtue of legal justice which has the common good as its proper object.
著者
杉山 博昭
出版者
長崎純心大学・長崎純心大学短期大学部
雑誌
純心人文研究 (ISSN:13412027)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.71-85, 2001-03-15

In recent years, community development is paid attention in rural areas. This paper deals with social work in rural areas in Yamaguchi Prefecture, how it occurred and developed. In Yamaguchi Prefecture, livelihood problems turned serious in 1920's. Social work and rural counter plan were not differentiated. But administration encouraged promoting social work in 1930's. This paper deals with the development of social work, and introduces the examples of that in rural areas. Also, this analyzes the theory of rural social work that KIMURA Takashi and HIMEI Isuke insisted. Lastly, this points out that rural social work could not solve the livelihood problems in rural areas.
著者
片岡 瑠美子
出版者
長崎純心大学・長崎純心大学短期大学部
雑誌
純心人文研究 (ISSN:13412027)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.97-120, 2003-03-01

佐賀県馬渡島の、幼児も含めた信徒数が千人をようやく越える小さな教会の司祭と信徒が、「教会・家庭・学校が一体となって子どもたちを育てよう」と開いたカトリック学校「海の星学園」は、学校教育法に則り認可された小・中学校であった。 1946年の開校から離島の過疎化による1959年の廃校までに、482人が学んだ。 30年後、卒業生が編んだ思い出の記に心打たれ、「海の星学園」創設から廃止までをたどった。主となる資料は、「学校法人カトリック学園設立認可中請書」及び「海の星小・中学校廃止認可中請書」である。