- 著者
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坂東 誠
杉野 守
- 出版者
- 近畿大学
- 雑誌
- 近畿大学農学部紀要 (ISSN:04538889)
- 巻号頁・発行日
- vol.30, pp.1-6, 1997-03-15
ウメノキゴケを3,4日毎にpH2の人工酸性雨に10分間,またはpH4及び5の人工酸性雨に90分間浸けると,2週間後のレカノール酸相対含有値が減少した。室内において,ウメノキゴケを0.15ppmのS0_2ガスに3,4日毎に90分間晒しても,レカノール酸相対含有値は有意に変化しなかった。都市域の外気にウメノキゴケを晒しても,レカノール酸相対含有値は有意に変化しなかった。また,都市域に降った雨にウメノキゴケを晒すと,レカノール酸相対含有値が有意に減少したが,非都市域の降雨では有意に変化しなかった。以上のことから,ウメノキゴケのレカノール酸相対含有値は,酸性雨の指標になり得ると考えられた。